あなたが居なくなった日。

バス停にはまだバスが来てなくて、だけど寒いからと今日はバス待ちに付き合わずに家路に向かおうと友に背を向けると背中にそんな声が降りかかってきた。

「気をつけて帰りなよ。またね」

「うん、また明日」

友の言葉に根拠なんてこれっぽっちも見当なんてつかない。

見当もつかないのに明日への不安が少し軽くなったのを感じた。
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