あなたが居なくなった日。

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その日から不思議で秘密な時間は毎日繰り返された。

私たちは同じところなんて一つもないけどだからこそ合わせやすかったんだと思う。

新田くんはピアノの天才だ。

そして家にはプロのご両親がいる。

だから教室には通っていなかった。

『週に一度、家に先生が来るだけなんだ』

新田くんはそう教えてくれた。

私はピアノの神様に愛された天才ではないけれどお母さんに教えてもらっているから教室には通っていない。
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