あなたが居なくなった日。
『〜〜……』
まだまだ不平を話し足りない楓の口を塞ぐように、スピーカーからは声楽科の声が流れ出る。
「ねえ?そろそろじゃない?」
「そうかも」
それにしっかり耳を傾けながら楓と私は小さく言葉を交わす。
そう、多分もうすぐなのだ。
楓は夏の間にお昼の演奏という責務を終えていた。
私はと言うと、実はまだなのだ。
まだその責務を果たしていない。
本来ならため息ものの事実だけど、どうしてか私の気持ちはそれ程下がってはいなかった。