旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 このふたりいつも一緒にいるなぁ。

 意味深なキスをしてしまってから、私は成暁さんを避けている。といっても忙しい身の成暁さんとふたりで出掛ける機会はなく、メッセージでのやり取りしかしていない。

 何度か電話をもらったけど、どれも時間が遅く、早寝の私は夢の中だった。

「吉岡ちゃんめっちゃ可愛いじゃん! ちょっとくるって回ってみてよ!」

「ええ?」

 長谷川さんに言われるがままその場で回る。

 うっ……目が回る。

 よろめいた私を成暁さんはごく自然な動きで支えた。

「こいつの言うことは聞かなくていいから」

 すぐそばで言われ、ドキンッと胸が鳴る。

 相変わらず素敵な声だ。

「美人で色気たっぷりの佳奈ちゃんと、天使のように可愛い吉岡ちゃん。最強じゃん!」

「恥ずかしいからもうちょっと声抑えてくれる?」

 佳奈さんがうんざりした顔で溜め息をついた。

 男性ふたりの服装もいつもと比べて華やかだ。長谷川さんは薄いピンクのシャツにグレーのスーツ。成暁さんは薄紫のシャツに、青みが強い紺色のスーツを合わせている。
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