旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 一足先に我に返った祥子が、興奮を抑えつけているような震える声で聞く。

「え? え? 宝来さん、香澄ちゃんに告白されたんですか?」

「はい。恥ずかしいので、ここだけの話にしておいてくださいね」

 成暁さんは唇に人差し指を立てて笑う。

 あどけない笑顔にきゅんっと胸が締めつけられた。

 それは祥子も同じだったようで、顔を真っ赤にしてこくこくと頷いている。

 呆けていたゆみかは、我に返って苦虫を噛み潰したような表情を作った。それから私をぎろりと睨んで、低い声で言う。

「宝来さん、お時間は大丈夫なんですか?」

「ああ、そうだった。そろそろ行かないと」

 成暁さんは腕時計に視線を落とす。

「香澄は帰るんだろう? 途中まで送っていくよ」

 さすがにこの状況では帰れない。

「お気持ちはありがたいんですけど、まだ話が終わっていないので……」

「ねえ、香澄ちゃんも仕事があるって言ってなかった? もういいから行きなよ」

 私の声を遮ってゆみかが言い放つ。ゾッとするほど冷たい声色だった。
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