旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「麻生さんもだけど、やっぱり芸術に携わる人はすごいよ。なんか人種が違うっていうか。ほんと尊敬する」

 加えて男性が私の目を見つめながら称賛するものだから、落ち着かなくてそわそわしてしまう。

「さすが営業は違うわね。その口のうまさに私は尊敬するわよ」

 私と違って佳奈さんは全く動じていない。さすがだなぁ。

 男性は頭を掻いて、「麻生さんは営業にも向いてそうですね」と苦笑いを浮かべた。

 佳奈さんにお手洗いに行くと伝え席を立つ。座っていたから気づかなかったけれど、かなりお酒が回っている。

 ふらふらと壁をつたいながら、トイレではなく店の外へ出た。

 大きく伸びをして胸の中に新鮮な空気を送り込む。

 さっきは恥ずかしかったなぁ。

 思い出して悶絶していると、お店の引き戸がカラカラと開いた。出てきた成暁さんと目が合い、心臓がドキッとする。

「こーら。女の子がこんな暗いところにひとりでいたら危ないぞ」

「成暁さん、どうしたんですか?」

「あんな危なっかしい歩き方されたら、心配で追いかけにきたくもなるだろ」

 そんなに酷かったかな……。
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