旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 小声でどういうことかと尋ねても、長谷川さんは心配しなくていいと言うばかり。

 もしかしてこれがお持ち帰りというやつでは?

 長谷川さんに限ってそんなはずがないと思うけれど、そういえばさっき、聞き捨てならない台詞を口走っていたような。

 で、でも、部屋に入らなければいいわけだし。

 ここで騒げば、長谷川さんが警察に突き出されることになるかもしれないし、ひとまずホテルに到着してから対策を練ろう……。

 本調子ではない脳ミソで、あれこれと考えるのはたくさんのエネルギーを使う。

 いつもならもうお風呂に入って、ベッドの上でゴロゴロしている時間だ。

 睡魔が容赦なく襲ってきて、気を抜けばあっという間に眠ってしまいそうになる。

 しばらくしてタクシーはホテルに到着した。

 長谷川さんはスタスタとフロントカウンターに向かう。小走りで後を追いかけると、足がもつれて転びそうになった。

 ひとりでわたわたしているうちに、長谷川さんは受付を済ませてカードキーを手にしている。
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