旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 大変なことになってしまったと絶望していると、長谷川さんは私の顔を見て噴き出した。

「ちゃんと説明しなくて悪かったよ。ちょっと急いでたからさ」

 眠気もすっかり吹き飛んだ。

 一体なにがなんだか……。怖くなり、そっと一歩後ろへ下がる。

「ああ待って! 勘違いしないで!」

「だってその鍵……」

「これは今日吉岡ちゃんが泊まる部屋の鍵だよ。俺はここで帰る――というか、皆に打ち上げの二次会会場に直接行くって伝えてあるから、今からそっちに向かう」

 ますます混乱する。どうしてホテルに泊まる必要があるの?

「成暁の携帯電話に客室番号送っておいたから、吉岡ちゃんのことが好きなら絶対にくるはずだよ」

「どうしてそんなややこしいことをするんですか」

「こうでもしないと君たち進まないでしょ。それに、これでもムカついてるんだよ。好きな子を置いて、他の女と帰るなんて」

 それは好きな子が早乙女さんだからじゃないのかな。

 でも、そうであれば成暁さんはこない。どんな形であれ、彼の気持ちを知れるいい機会だ。
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