旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「ありがとうございます。お言葉に甘えて泊まっていきます」

「そうして。あ、このホテル俺の家が経営しているから、代金も必要ないからね」

 一瞬、頭がまっ白になる。

「――それって」

「うん、実は御曹司だったりするんだよね。といっても後継ぎは兄貴だから、俺はこの通り自由奔放なわけよ」

 へらっと笑う顔をこれでもかと見つめた。

 嘘でしょ。長谷川さんが、フローリデホテルの御曹司……!?

「さっきの成暁との会話覚えてる?」

 こくんと頷く。

 俺が誰だか分かって言ってるんだよな?って言ってた。あれは、長谷川さんの身分の話をしていたってこと?

「俺は成暁と違って女の子大好きだし、家の力を使ってホテルにだってすぐに連れ込めちゃうし、本気になったらどんな手強い相手でも落とす自信がある」

「もしかして、そんなにたくさんの意味が込められていたんですか」

 長谷川さんは口角を上げてニヤッと笑う。

「あいつには伝わったと思うよ。だから、吉岡ちゃんは部屋で待ってること。いいね?」

 まるで子供をあやすような言い方だ。でも妙に心地よく聞こえて、ふふっと笑いながら頷いた。
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