旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
すると長谷川さんはハッとした表情になる。
「どうかしましたか?」
首を傾げると、「あーあ」と長谷川さんは嘆息を漏らした。
「そんな可愛い顔見せられたら、本当にこのまま奪いたくなるよね」
顔が熱くなる。
「冗談でもそんなこと言わないでください」
「冗談じゃないけど、でもこればかりは仕方ないか。あいつ、ずーっと吉岡ちゃんのこと見守っていたし。ここで吉岡ちゃんに手を出すのはさすがにちょっとね」
「それって……」
前に成暁さんから聞かされた、私の存在を知ってから二年くらいかけて好きになってくれたって話?
長谷川さんも、だいぶ前から知っていたってこと?
「成暁のこと好きなんでしょ? だったら、その気持ちちゃんと伝えなよ」
長谷川さんは私の背中をバシッと強く叩いた。
い、痛い。でも、おかげで気合いが入ったかも。
「ほら、部屋まで送ってくから」
ホテルの三十九階まで昇った時点で薄々気がついてはいたけれど、通された部屋はやはりスイートルームだった。
白やベージュ、グレーといった中間色で組み合わされた内装は、落ち着きのある雰囲気にまとめられている。インテリアはどれもお洒落で可愛らしい。