旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「部屋はパーラーとベッドルームに別れているから。アメニティはなんでも揃っているからね。ドリンクも冷蔵庫に入っているけど、なんでも好きに頼んでいいから」

 圧倒されて立ちすくんでいる私に、長谷川さんは流暢に説明してくれる。

 内容が全然頭に入ってこないんだけど……。

「あの、長谷川さん。やっぱりこんな部屋には泊まれませんよ」

「え? 気に入らなかった?」

「そうじゃなくて、こんな素敵な部屋に、私なんかが泊まらせてもらうわけにはいきません」

 長谷川さんはキョトンとした顔になる。

「成暁と付き合ったら、こういう部屋にしか泊まらないと思うけど。あいつが住んでいる高層マンションだって似たようなものだよ?」

 驚愕の事実に絶句する。

 そういえば今まで、成暁さんがどこに住んでいるか聞いたことがない。

 この客室と似たようなものって、一体どんな家に住んでいるの……!?

「ここの夜景もなかなかだけど、成暁の部屋もかなり綺麗だから、今度行ってみるといいよ」

 長谷川さんはふと腕時計に目を落とす。

「そろそろ行くよ。心細いかもしれないけど、きっとすぐ来るから」

「……はい」

 来てくれることを祈って待つしかない。
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