旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~

 背が低く純和風の顔立ちをした奥様がそばにいることで、余計にそれが際立って見える。

 奥様は喋り方も物腰も、おっとりしていて可愛らしい女性だ。

「香澄さんの事情は聞いております。余計なお世話だとは思いますが、苦労された分幸せになってほしいと思います。成暁は私たちの自慢の息子です。その息子が愛した女性と結ばれることを私たちは素直に応援したいのです。厚かましいお願いですが、どうかご検討のほどよろしくお願いいたします」

 叔母は肩から力を抜き嘆息を漏らす。

「そうですか。それを聞いて安心しました」

 私も緊張を緩めて緑茶の入った湯呑みを口に運んだ。

 ごく普通の方々でよかった。私の事情も知っているのなら、変に怖がる必要もないよね。

 奥様をこっそり見やると、視線に気づいた奥様がふんわりとした笑顔を浮かべたので、困った私は曖昧に微笑み返した。
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