旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「この恰好、変じゃない?」

「可愛いわよ」

 ふふふ、と笑われて、なんだか照れくさくなる。

 はりきっているって思われたかな。

「帰りもちゃんと送ってもらうから、心配しないで先に寝ててね」

 昨日の帰宅はそれなりに遅かったのに、ふたりとも寝ずにリビングで過ごしていた。考え過ぎかもしれないけど、もしかしたら私の帰りを待っていたのかもしれない。

 気を使って言えば、とんでもない台詞が返ってきた。

「もう二十五になるんだから、外泊したっていいのよ」

「しないよ!」

「あっ、ケーキ買ってきたから、明日までに食べてね」

 私の叫びを華麗に無視して、叔母さんは鼻歌を歌いながらリビングに入っていった。

 ……もうっ。まだ私たちはそういう関係じゃないのに。

 鏡に映った真っ赤な顔を見て、無性に恥ずかしさが込み上げた私は部屋へ駆け込んだ。
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