旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
製陶所に戻らず私たちを見送ってくれるらしい叔父さんに手を振ると、にこやかな笑顔を浮かべて振り返してくれた。
叔父さん、嬉しそうだなぁ。
車はゆっくりと動きだし、細い道を抜けていく。
「寒かったり暑かったりしたら言ってね。あ、勝手にいじってもらっても構わないから」
「ボタンがいっぱいあり過ぎて、怖くて触れません……」
真剣に言ったのに、成暁さんはクスクスと笑っている。
「コーヒー好きだよね? それ、飲んでいいから」
言われて周りを見回すと、ドリンクホルダーに缶コーヒーが置いてあった。手に取ってみると心地いい温かさ。
来る前にわざわざ買ってくれたんだ。
しかも私がコーヒー好きって知っているなんてびっくり。佳奈さんから聞いたのかな。