旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「今日はゆっくり話がしたいと思ってて。ちょっと早いけど、レストランに向かってもいい?」

 お腹は既にぺこぺこだ。でも、食い意地が張っているようで恥ずかしいから黙っておく。

「ゆっくり話すって、なにについてですか?」

 私としては、あまり深い話はしたくないんだけど。

「俺と香澄のこと以外になにがあるの?」

 当たり前に聞き返されて口を噤んでしまう。

 成暁さんのお母さんが事情は知っていると言っていたから、当然のことながら成暁さんも知っているはず。……でも、どこまで?

 心を落ち着かせようと、握ったままだったコーヒーのプルタブを引き起こした。
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