旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
私たちの様子を黙って見ていた佳奈さんが、面倒くさそうに呆れ声で言う。
「遼平くん、私の後輩にちょっかい出すのやめてくれる?」
「成暁も佳奈ちゃんも少しは俺の恋を応援してくれてもよくない?」
口を尖らす長谷川さんに、佳奈さんは冷たく言い返した。
「嫌よ。香澄だって困っているじゃない」
長谷川さんから宝来部長へ視線を移した佳奈さんは、小さく首を傾げる。
「それで? 私たちを残らせた理由は?」
「ふたりと話がしたくて」
宝来部長はちらりと私に目配せをする。
よく分からないけど、彼等が特別な関係だというのは今のやり取りで理解できた。そして、ふたりとは長谷川さんと佳奈さんのこと。
私、邪魔だ。
「あの、それでは私はお先に失礼します」
慌てて立ち上がったところで、宝来部長に制された。
「いや。いてもらって構わない」
立っている彼を前にして再び腰を下ろすのも気が引けてしまい、テーブルと椅子に挟まれた状態で立ち竦んでしまう。