旦那様は溺愛至上主義~一途な御曹司に愛でられてます~
「吉岡ちゃん大丈夫だよ。座りなよ」

 吉岡ちゃんって……。

 にこにこ顔の長谷川さんに言われ困惑していると、「座って」と、宝来部長にも言われてしまった。

「すみません」

 誰でもいいからこの状況の説明を早くしてほしい。軽いパニック状態で、額と鼻の上に汗が噴き出している。手の甲で押さえながら身を小さくした。

「最近なんで誘ってくんないの?」

 宝来部長の言葉にポカンとして、首を反らして背の高い彼を見上げた。

「なんでって、忙しそうだし」

 長谷川さんは椅子に背を預けてすっかり寛いでいる。

「予定を合わすこともできるんだから、誘うだけ誘えよな」

 佳奈さんはクスクスと声を潜めて笑う。

「成暁くんは寂しがりやだねぇ。じゃあ、このチームで親睦会を開いたら?」

「いいね! それ!」

 佳奈さんの提案に長谷川さんが乗っかり、宝来部長も「そうするか」と、小さく頷いている。

 私はさっきから三人の顔を交互に見ているせいで、脳を揺らしすぎたのかちょっと気持ちが悪くなりつつある。
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