一期一会
『今度』というフレーズに次回があるんだと嬉しくなる。


「じゃあ、おやすみ。また明日ね……」

『おやすみ。また明日』

彼が電話を切ったことを確認してから通話を切った。




あれから成実ちゃんとアツヒロ君は一言も喋らない。

そんな二人は私の臆病な性格に更に拍車をかけた。


成実ちゃんみたいに感情を吐き出して壊れてしまうくらいなら、このままが良い……。


彼の近くにこうやっていられるなら、今はそれで良い……。



そんなことを考えながら私は眠りについた。
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