一期一会
驚いて声の方へ振り向くと、

「おうアツヒロ、おはよ」

金髪にピアスの、失礼だがチャラそうな男の子。
アツヒロと呼ばれた男の子は中原君と挨拶を交わすとすぐに離れていった。
それよりも驚くことは中原君だよ。


「え!?もう友達出来たの!?」

しかも既に下の名前で呼びあっていた。

「うん。だから西野もすぐ出来るよ」


石像みたいに固まっていた異性の私に友達になってと言っちゃえる男子なんだから、とてつもなくコミュニケーション能力が高いのだろう……。

あぁ…その行動力、少しでも私に分けてもらえませんかね?


「西野は部活入る?俺はずっとサッカーやってるからサッカー部入る予定」

心の中で中原君の行動力に惚れ惚れしていたところに、中原君があまり出して欲しくない話題を出してきた。

「私はバスケをずっとやってきたけど、高校はバイトを沢山やろうかなって思う」
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