一期一会
それからはバイトに明け暮れる日々。
その忙しさのお陰で雑念から振り払われて、心は穏やかに過ごしていた。
そんな中、八月の初め、バイトを終えて家に帰ると母から成実ちゃんから連絡を受けたと言われた。
夜も遅かったので次の日に電話を掛けると成実ちゃんに怒られた。
『瑞季、こっちが連絡しないとしなかったでしょ!』
「ごめん……。バイトに夢中になりすぎてた」
『女子高生なんだから青春を桜花しようよ!ってことで八月の終わりの花火大会行かない?』
まさか彼と行くはずだった花火大会に誘われるとは思ってもいなかった。
それから二週間後の八月の半ばの登校日。
私はわざとチャイムギリギリに教室に入った。
中原君の顔すら見れなかった。
彼女と居るところを見たくなくて、終わるとすぐに教室を飛び出すように帰った。
「何で居るの……」
「おひさ、西野!」
人混みを掻き分けた先、突然目の前に現れたのは、黒髪から少し茶色くなった髪のアツヒロ君。
その周りには知らない男の子達。
「お前ら浴衣くらい着てこれないの?女子力低いなー」
カッチーン。
「成実ちゃんは私と紘子ちゃんと行った花火大会には可愛~い浴衣着てきたから。あとアツヒロ君が来ることすら私は知らなかったから。でも知ってたとしたも着てこないですけどね、絶対に」
「西野、相変わらずだな~」
アンタもな。
その忙しさのお陰で雑念から振り払われて、心は穏やかに過ごしていた。
そんな中、八月の初め、バイトを終えて家に帰ると母から成実ちゃんから連絡を受けたと言われた。
夜も遅かったので次の日に電話を掛けると成実ちゃんに怒られた。
『瑞季、こっちが連絡しないとしなかったでしょ!』
「ごめん……。バイトに夢中になりすぎてた」
『女子高生なんだから青春を桜花しようよ!ってことで八月の終わりの花火大会行かない?』
まさか彼と行くはずだった花火大会に誘われるとは思ってもいなかった。
それから二週間後の八月の半ばの登校日。
私はわざとチャイムギリギリに教室に入った。
中原君の顔すら見れなかった。
彼女と居るところを見たくなくて、終わるとすぐに教室を飛び出すように帰った。
「何で居るの……」
「おひさ、西野!」
人混みを掻き分けた先、突然目の前に現れたのは、黒髪から少し茶色くなった髪のアツヒロ君。
その周りには知らない男の子達。
「お前ら浴衣くらい着てこれないの?女子力低いなー」
カッチーン。
「成実ちゃんは私と紘子ちゃんと行った花火大会には可愛~い浴衣着てきたから。あとアツヒロ君が来ることすら私は知らなかったから。でも知ってたとしたも着てこないですけどね、絶対に」
「西野、相変わらずだな~」
アンタもな。