一期一会
あれ…………?
それから数日後、二学期が始まって一週間。
朝、教室に入ると視界に入れないようにしていた人物が入れたくなくても視界に入り込んできた。
目立つくらいポツンと一人。
楠木さんが一人で席に着いて俯いていた。
彼女の周りには不自然なほど誰も居ない。
成実ちゃんと紘子ちゃんが既に居たので二人が何か知っているかもしれないと思い、私は二人に駆け寄った。
「二人とも、おはよう。楠木さん何かあったの?」
「おはよう。瑞季ちゃんも気付いた?」
「おはよ。ついにクラスの女子全員に見放されたって。ザマーミロ」
二人に話し掛けると紘子ちゃんは挨拶を返して意味深な言葉。
そして成実ちゃんは毒を吐くように核心をサラリと放った。
女子全員?見放された?
「誰かに何があったか聞いたの?」
「小野田さんから聞いた。というか通り掛かった」
紘子ちゃんがポツリと溢す。
「え?」
「昨日の帰り道に偶然、小野田さんグループと楠木の言い合いバトルに遭遇しちゃって」
続けて紘子ちゃんが説明してくれた。
「どこのグループ入っても人の悪口ばっか。で、ついに今日もう楠木を受け入れてくれるグループは無くなっちゃったって小野田ちゃんが言ってた」
成実ちゃんが呆れた顔で言う。
でもだからってこれは……。
「自業自得だよ。瑞季ちゃんは被害に遭ったからわかるでしょ。彼女こうなる運命だったんだよ」
紘子ちゃんも見放したように言った。
確かにその通りだ。
私だって数日だが苦しめられた。