一期一会
板ガムに巻き付いていた紙を捲り取ると、裏側の白い面におもむろに何かを書き込む。

私は予測不能な行動をする彼の動きをじっと見つめていた。
彼の行動の答えを探り出そうと。

すると白かった面には十一桁の数字の羅列。


「これ、俺の携帯番号」

「えっ?」

ポカンと口を開けたままの私に彼は小さな紙切れを机に差し出す。


「何かあったら連絡して」

「え?え?」

「あと明日八時に駅に集合。あっ、出口は南口な」

「えっ、サッカー部の朝練あるんじゃ……」

「試合近い日以外は基本自由参加だから。それよりも腹空かない?」


彼は机の右側に掛けていた私の鞄を勝手に掴み、「帰るぞ」と言って教室の外へと歩き出した。


「ま、まって……っ!」
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