異世界ピエロに恋した私。

その途中、幕の後ろから誰かが出てきた。
コルドベスハッドを被っており、顔は見えないが薔薇色のドレスを着ているあたり女と把握した。
クリス達と女がすれ違った時だ。

「ちょっと待って」

会場に女の声が響き渡った。
その声に反応するように、クリス達は歩みを止めて女を見つめた。

『この声、どこかで聞いたことあるような?』

そんなことを気にしている場合ではないと考え、再び視線をむける。
ノーンは笑顔を崩さぬよう振り向いた。

「何でしょうか、お嬢さん?」

女も背中を向けていた体を180度回転させ、視線を合わせた。
そして彼女はクリスに指を差す。