異世界ピエロに恋した私。
「すみません司会者さん、彼女、この後私のダンスの伴奏をしてくれる方なの。
幕の後ろへ連れていかないでくれるかしら?」

「...は?」

何を言っているんだあの女、思わず変な声が出てしまったじゃないか。
俺だけじゃない、他の奴らも驚いた顔して注目している。

「で、ですがこの方は先程の演奏で失敗してしまって」

「貴方には言っていません。
私はクリスさんに言っているのです」

『し、正気かあの女!?』

アイツに言い返すのは宣戦布告していることと同じこと、なのにあの女は構わず言葉を続ける。
2回目になるが、正気なのかあの女は。
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