異世界ピエロに恋した私。
クリスに顔を近づけると、真っ赤な口元が上がり微笑んでいるのだと思った。

「約束、しましたよね?」

首を傾げ、合意を求めているようだ。
クリスの目は徐々に光を取り戻り、まるで奇跡でも見ているかのような顔つきになり、大きく首を縦に振った。

「はい!」

『こんな光景、初めて見たぞ』

ヒスナー家の部下、ましては王の1番の部下にここまで言う奴初めて見た。
卵2つ分入りそうな勢いの口の開け方をしていることに気づき、俺は咄嗟に閉じた。
ノーンは納得いかなさそうな表情をしながらも指定の位置に戻ってマイクを握った。
一方で女はクリスに耳元で何かを伝えてからピアノの方へ向かわせた。
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