異世界ピエロに恋した私。
すると、いるかも忘れていたリグナが胸ポケットから顔を覗かせ、俺の名前を呼ぶ。

「なんだ」

返事をすると、俺の肩までよじ登ってきた。
そして女を指差すなり、あることを言い始める。

「あれって、フラメンコだよね?」

『フラメンコ?』

確かに、気にせずに見ていたがあれはフラメンコだ、けどそれがどうしたんだ、という考えが頭に浮かぶ。
相当間抜けな顔をしていたのか、ビンタを食らってしまった、しかも何気に痛い。

『そういえばさっきも顔面を殴られた気が...あ』

そこでやっと思い出し、俺はど真ん中で踊っている女を凝視した。

『待てよ、あの女もしかして...』

タイミング良く、女は自身の帽子に手を添えるなり、それを勢いよく投げ飛ばしたのだ。
そこで顔が露わになり、一瞬で世界が止まったかのように体が固まった。

ダダンダン!

「ミリアだ!」

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