ようこそ、恋愛指南部へ!
「入部届にサインはしたけど、部室に顔出しなさいとは書いてなかったもん!」
「屁理屈こねるなブス。ったく、この忙しい時期に手間取らせやがって……」
ため息つきたいのはむしろこっちの方だっつーの!
「ついでだ、試験勉強見てやる。おら、行くぞ」
「きゃー人身売買されちゃうー!」
「うっせぇ!黙って着いてこいドアホ」
……今度からは逃げる方法をもっと真面目に考えないとな。
*
「あぁ、一護に志乃ちゃん、おかえりなさい。
今丁度アップルパイが焼けたところなんだ、一緒にどうかな」
昨日と同じく、ふわりと微笑むきれいなお兄さんが出迎えてくれた。
「あぁ、頂くぜ」
って、アップルパイが焼けた??
6時間目が終わってから30分も経ってないし、そもそもどこで調理してるん……
「いつまでもふわりと微笑むお兄さんじゃ悲しいから、僕にも自己紹介させてくれないかな」