ようこそ、恋愛指南部へ!
こ、怖いってば。
あわよくば誰か一人殺そうとするような勢いだよ、その目つき……
私が見ているのに気付いたのか、顔を上げる暴君。
「ったく、なんだよじっと見つめて。相手してほしいのか?」
「別にいい。それより、論文書かないといけないんじゃ…」
「7月の予選用の発表は大体まとめ終わってんだよ。ただ、8月の本選の内容にちょっと手こずってる」
まだ予選の大会にも出てないのに、もう本選の準備って早すぎない?
「俺様レベルになると予選通るのなんて当たり前だからな。
だが本選用の論文を書き出してるがいまいちぱっとしねぇ」
物凄く偉そうな言い方に腹は立つが、どうやら行き詰まっているらしい。
だからといって、私にできることは何もないんだろうけど。
困ってるようだが何て声をかけたらいいかわからずにいると、ポンポンっと頭を叩かれた。
「俺のことはいいんだよ。それよりお前は勉強しろ、セトもな。
うちの部から赤点取るバカを出すわけにはいかねぇからな」