ようこそ、恋愛指南部へ!
第三幕
志乃、初の恋愛指南
【一護side】
「学園祭の出し物、希望ある方いますかー?」
夏休みが明けて1ヶ月が経った。
うちの学校では、毎年10月中旬に学園祭が行われる。
文化祭みたいなようなものだが、学校の創立記念日に合わせているから学園祭とかなんとか。
さっさと6時間目が終わってくれと願いながら時計を見るが、針が進む速度は変わらない。
俺達3年は、夏の大会を終えたら基本的には引退することになっている。
が、俺はいまだに毎日部室に顔を出している。
理由はというと、志乃がいるから。
あいつ、放っておくとすぐばっくれようとするからな……
ここ最近は教室まで迎えに行かなくても、部室に来るようになった。
俺への当たりも(気持ち)マシになったような気もする。
何か心境を変える出来事があったのか、はたまたそれが俺関係だとしたらこれ以上に嬉しいことはない。
厄介だと思って引き受けた恋愛指南にも、少しずつ意味があったのかと思い始めていた。