略奪"純"愛 『泣かすなら俺がもらう』
すると、結は、

「ええ!? またですかぁ!?
天の下、俺様だから、疲れるんですけど。」

とわざとらしく、嫌そうな顔をして見せる。

結、変わってない。
俺が好きな結のままだ。

「うるせぇ!
嬉しいくせに。素直に喜べ!」

「はぁ!?
誰がそんな事、言ったのよ?」

「顔に書いてあるじゃん。」

「書いてないし。
ちょっと会わない間に、目、悪くなったん
じゃない?」

「ちょっとは、黙れ!
たまには上司の言う事に、『はい』って
返事してみろ。」

「はぁ? 誰が上司よ!」

「俺だよ!
ここに『主任』って書いてあるの、
読めないのか?」

俺は、首から下げたネームプレートを指差した。

「だから、何よ?」

「だから……… 」

ドキドキ
緊張する。
結…

「………結! 結婚するぞ。」

「は?」

「『はい』は?」

「なんでこんなトコで言うのよ?」

くくっ
場所の問題!?
内容じゃなくて?

「こんなトコじゃなきゃ、いいんだ?」

「そんな事、言ってないでしょ?」

「いいから、返事!!」

「……… はい。」





やった!

これでやっと、結は俺のもの。



結、必ず、幸せにするから。

一生、俺についてこい。



結、愛してる。

世界でお前だけを愛してる。


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