Adagio
「神長さんは、経営者向きの人だから駄目なんです」
「何で経営者向きの人は駄目だと思うの?」
「将来独立する可能性が高いからです。大きい会社を存続させるために、いい人材を採用するのはとても大事なことですけれど、神長さんはきっとすぐ上の立場になるし、そうなると会社の要になる人が辞めてしまうことになるわけで、それだと困るので……、あの」
言いながら、Innocenceとの会話を思い出す。
『同じ会社で長く働けない人は、どんなに仕事が出来ても、その会社にとって必要ない人?』
『ノー』
(違う、そうじゃない)
有紗は誤った考えを断ち切ろうと首を横に振る。だが、独立というキーワードは何か重要なポイントのはずだ。
「言い始めたら、ちゃんと最後まで言い切って」
宇美から優しい口調で促されるが、つづく言葉が出てこない。頭の中に漠然とした答えはある。だが、答えには掠っても、核にはまだ辿りつけていないからだ。
「何で経営者向きの人は駄目だと思うの?」
「将来独立する可能性が高いからです。大きい会社を存続させるために、いい人材を採用するのはとても大事なことですけれど、神長さんはきっとすぐ上の立場になるし、そうなると会社の要になる人が辞めてしまうことになるわけで、それだと困るので……、あの」
言いながら、Innocenceとの会話を思い出す。
『同じ会社で長く働けない人は、どんなに仕事が出来ても、その会社にとって必要ない人?』
『ノー』
(違う、そうじゃない)
有紗は誤った考えを断ち切ろうと首を横に振る。だが、独立というキーワードは何か重要なポイントのはずだ。
「言い始めたら、ちゃんと最後まで言い切って」
宇美から優しい口調で促されるが、つづく言葉が出てこない。頭の中に漠然とした答えはある。だが、答えには掠っても、核にはまだ辿りつけていないからだ。