Adagio
■5
週が明け、人事部に新人の女性社員がやってきた。
「首藤友香です。以前までは運営サポート課に所属していました。毎月各運営部から上がってくる出勤簿の精査などはしていましたが、労務系はあまり詳しくないのでまた一から勉強させていただきます、よろしくお願いします」
自己紹介を済ませると首藤は、人事部の殺風景なオフィスに華を添える、懐こそうな明るい笑みを浮かべて頭を下げた。
新人とはいっても運営部上がりだ。滑舌の良い喋りと快活な雰囲気はいかにも外勤向けといった感じだが、育休明けで以前のポジションに空きがなくなってしまい、本社勤務を希望した場合は人事部でしか拾えない、というのが配属の事情だった。
もっとも、人事部でしか拾えない、というのも宇美の温情あっての話だが。
「えーと、首藤さんは暫くのあいだ綿貫の下について基本的な動きを覚えてもらうつもりだから――」
週が明け、人事部に新人の女性社員がやってきた。
「首藤友香です。以前までは運営サポート課に所属していました。毎月各運営部から上がってくる出勤簿の精査などはしていましたが、労務系はあまり詳しくないのでまた一から勉強させていただきます、よろしくお願いします」
自己紹介を済ませると首藤は、人事部の殺風景なオフィスに華を添える、懐こそうな明るい笑みを浮かべて頭を下げた。
新人とはいっても運営部上がりだ。滑舌の良い喋りと快活な雰囲気はいかにも外勤向けといった感じだが、育休明けで以前のポジションに空きがなくなってしまい、本社勤務を希望した場合は人事部でしか拾えない、というのが配属の事情だった。
もっとも、人事部でしか拾えない、というのも宇美の温情あっての話だが。
「えーと、首藤さんは暫くのあいだ綿貫の下について基本的な動きを覚えてもらうつもりだから――」