Adagio
「綿貫さん、よかったらどうぞ」
隣の席で人事書類のファイリングをしていた首藤が、有紗の手元にキャンディラッピングされた小さな菓子を置いた。
「いいんですか?」
金色の包装紙には、誰もが知る超有名ショコラトリーの名前がある。
「うん。もらい物なんだけどね」
首藤はそう言いながら包みをあけ、手を汚さないように大粒のチョコレートを口に放り込む。
もったいない食べ方だなと思いながらも、有紗もそれを倣った。噛んだ途端、口の中いっぱいにカカオ豆の豊かな風味が広がり、頬が緩む。甘いものを食べると、その一瞬嫌なことも忘れられる。
「……美味しい。やっぱりガナッシュの、ダークチョコレートの深みに特別感があります。人気ショップのものはいつ食べても間違いなく美味しいです。極上の一粒です」
いっときの幸せをかみ締めながら有紗が言うと、首藤はくすくす笑った。
隣の席で人事書類のファイリングをしていた首藤が、有紗の手元にキャンディラッピングされた小さな菓子を置いた。
「いいんですか?」
金色の包装紙には、誰もが知る超有名ショコラトリーの名前がある。
「うん。もらい物なんだけどね」
首藤はそう言いながら包みをあけ、手を汚さないように大粒のチョコレートを口に放り込む。
もったいない食べ方だなと思いながらも、有紗もそれを倣った。噛んだ途端、口の中いっぱいにカカオ豆の豊かな風味が広がり、頬が緩む。甘いものを食べると、その一瞬嫌なことも忘れられる。
「……美味しい。やっぱりガナッシュの、ダークチョコレートの深みに特別感があります。人気ショップのものはいつ食べても間違いなく美味しいです。極上の一粒です」
いっときの幸せをかみ締めながら有紗が言うと、首藤はくすくす笑った。