Adagio
「よかった。スイーツものっすごく詳しいって聞いてたから、みんなが名前知ってるようなチョコなんて、綿貫さんの口に合わないかなーって思ったんだけど」

「ええ? そんなことないです。やっぱり多くの人に愛される味にはちゃんと理由がありますから。定番って間違いなく美味しいですし、大好きです」

「さすが、言うことが違うなあ。コンビニのお菓子以外買いませんっていう、私みたいのとは。でも良かったよ、少し元気でたみたいで。綿貫さん何か悩んでるのかなって。……もしそれが私のことだったらごめんね」

「えっ。そんな、ぜんぜん違います! 本当に」

 もしかしたら、首藤なりに色々考えて、このチョコレートも用意してくれたのだろうか。

「首藤さんと一緒に仕事が出来て楽しいし、首藤さんの明るさにわたし、元気もらってますから。だからこれは全くの別件っていうか……。

駄目ですよね、仕事にまで色々引きずってちゃ。心配させてしまってごめんなさい。でも、チョコ食べて、少し元気出ました!」
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