かんしゃ の きもち

 マキちゃんが思い切り侮蔑を込めたように言い放つと、声大きいよー、と由利ちゃんが注意した。

 その時。

「……よぉ。飲んでる?」

 私の手元に影が差したから見上げると、正に噂をすれば影。そこには、私を一番長くいじめてくれた山本くんがいた。
 例の洋楽自慢の面倒くさいヤツだ。

「なぁーによ、山本ぉ。あんたはあっちで玲子ちゃん達と仲良くやってなさいよー」
 
 なんか、由利ちゃんの雰囲気が違う。もしかして、もう、酔ってる?

< 19 / 43 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop