極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「黒……だね」
「それなら、いつもと違うキャメルの方がいいんじゃないか?」
彼の助言にゆっくりと頷く。
「確かに。うん、キャメルにしよう」
黒ばっかじゃ飽きるかもしれない。
「今度は俺の買い物手伝ってくれないか。今日、小春の誕生日だから、財布をプレゼントしようと思うんだ。何色がいいと思う?」
風間に相談され、即答した。
「それならピンクだよ」
小春と私は趣味が似ている。
持っている洋服や小物は、彼女のと似たテイストのものが多いのだ。
「ピンクか。わかった。ありがとう」
風間は私に礼を言うと、次に母親に頼まれたというオーダーメイドの赤いバッグを見せてもらい、自分の財布からクレジットカードを抜いて差し出した。
「あっ、待って」
私も慌てて自分のバッグから財布を取り出し、現金を店員に手渡す。
「このキャメルの財布は、現金でお願いします」
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