極上御曹司の愛妻に永久指名されました

風間が支払いそうで焦ったが、無事に渡せてホッとする。
すると、スーッと目を細めてじっと私を見る彼と目が合った。
「お前、そんなに現金を持ち歩いてたら危ないぞ」
「クレジットカードなんて持ってないんだもん。仕方ないでしょう？でも、財布はふたつに分けてるから大丈夫」
気にせずへらっと笑うが、風間は怪訝な顔をする。
「簡単にすられそうだな」
「私、そんなヘマしないわよ」
ムッとして言い返せば、彼は少し呆れた口調で警告した。
「自己過信も程々にしないと、そのうち痛い目に遭う」
何よ、偉そうに。
あなたは先生か父親ですか？
「ご忠告どうも。それと、母の財布が無事に買えたことに感謝するわ」
むしゃくしゃしながら形ばかりの礼を述べ、店員から紙袋を受け取り、風間をおいて店を後にする。
隣のマカロン店を覗いたが、小春と長谷川の姿はない。