極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「ああ。好きなの選んでいい」
「やったー!じゃあ、これとこれ試着してこよう」
ドレスを二着選んでフィッティングルームに籠もる小春。
これは、彼らの間では恒例なのだろうか。
普段大学にいる時は感じなかったけど、小春もセレブなんだね。
なんか……遠い人に感じるなあ。
近くにあったソファに腰を下ろそうとしたら、長谷川にドレスを二着ほど手渡された。
「はい、紫ちゃんもだよ。試着しておいで」
「え?でも、私は今日誕生日じゃないよ」
戸惑いながらじっと長谷川を見たら、横から風間が冷淡に言った。
「これから行くレストランは、ドレスコードがある。そのセーターに黒のパンツ姿じゃあ、中に入れてもらえない」
……ドレスコード。
いろいろ突っ込みたいが、今日は小春の誕生日。
風間なりの計画があるのだろう。
「わかりました」
渋々従い、フィッティングルームで着替える。
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