極上御曹司の愛妻に永久指名されました
この状況では分が悪い。
だけど、そんなに親しくない男性に手を握られてなんだかくすぐったい感じがした。
その後、小春達と合流し、また違うブランド店へ行く。
私はもう買うものないしなあ。
「ねえ、私、カフェでコーヒーでも飲んでるよ。みんなはじっくり買い物してて」
三人ににこやかに声をかけて店を出ようとしたら、またもや風間に手を掴まれた。
「真野も来い」
「え?私も?」
戸惑う私の手を強引に引いて風間は歩き出す。
連れて行かれたのは、また個室。
中に店員が二名待機していて、奥にフィッティングルームがあり、目の前にあるハンガーラックには高級感溢れるスーツとドレスがかけられている。
こういうシチュエーションは慣れているのか、小春は嬉しそうに頬を緩めた。
「わ〜、素敵なドレス。ひょっとして、今夜着るの?」
彼女の質問に風間は兄のような優しい目で微笑む。
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