極上御曹司の愛妻に永久指名されました
12、姉からの電話
「紫ちゃん、副社長、明後日、鈴木商事の社長との会食が入ったから、スケジュールに入れておいてくれる?」
秘書室に戻ってきた長谷川が、メールを処理していた私に目を向ける。
楽しいゴールデンウィークが終わって今日から会社。
忙しい日常が戻ってきた。
私と風間……恭一はゴールデンウィーク中に恋人同士になったけど、下の名前で呼び合うのはまだ慣れない。
でも、彼といるだけで心がウキウキする。
あまりに浮かれてしまったせいか、四月に教えてもらったことが全部頭から消えていてとても焦った。
自分のメモやマニュアルを見て必死に業務にあたれば、あっという間に定時になって……。
社長の第一秘書の田島さんと小春は、来客対応で席を外している。
「了解」
にこやかに返事をすれば、長谷川は続けて言った。
「あと、副社長から伝言。今日は必ずタクシーでうちに帰れってさ」
恭一は会食が入っていて、私と一緒には帰れない。
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