極上御曹司の愛妻に永久指名されました

「さあ、どうだろうね」
この顔、多分小春からずっと目を離さないようにしてたんだろうな。
杉田くんに小春を奪われないよう必死だったのかも。
だって杉田くんのことをハエ扱いしているし、余程頭にきているに違いない。
それだけ長谷川が彼女を好きってわけで、自然と笑みが溢れる。
ひょっとして恭一が最近小春に構わなくなったのは、こういう展開を狙っていたからかも。
「小春を泣かしたら、私が許さないわよ」
そう警告したら彼は、珍しく真剣な顔で私を見た。
「絶対に泣かさない。約束する」
その言葉にはちゃんと心がこもっていて、ホッとする。
よかった。
小春、愛されてるね。
長谷川はすぐにいつもの優しい顔に戻り、「じゃあ、副社長と今から出るから後よろしく」と言って秘書室を後にする。
そのすぐ後に田島さんと小春が戻ってきて、机の上の書類を片付けて帰り支度をしていると、スマホがブルブルと震えた。