極上御曹司の愛妻に永久指名されました

画面を見れば恭一からのライン。
仕事の連絡かと思ったのだけど、【まだ仕事してるなら早く帰るように】とメッセージを送ってきた。
【心配しなくても今帰るところ。そっちは飲み過ぎないようにね】
すかさずメッセージを送れば、【了解】と恭一もすぐに返してきた。
ホント、私の恋人は心配性。
クスッと笑えば、隣にいた小春に突っ込まれた。
「副社長からメールでも来てた？」
その言葉にギクッとする。
「違う。お母さんから」
咄嗟にそう誤魔化してPCの電源を切ると、彼女は姉のような顔をして言った。
「紫、ちゃんとタクシーで帰ってよ」
「はいはい、わかってますよ」
椅子から立ち上がってバッグを手に持ち、田島さんと小春に「それではお先に失礼します」と挨拶する。
秘書室を退室し、会社を出てスマホのアプリでタクシーを呼ぼうとしたら、姉から電話がかかってきた。
出るべきだろうか？