極上御曹司の愛妻に永久指名されました

長谷川の足に躓き、黒沢さんはバランスを崩して無様に転んだ。
そんな黒沢さんに、恭一は冷ややかな視線を投げた。
「俺の婚約者を強姦しようとした罪は重いぞ」
恋人の私でも彼のその声にゾクッとする。
恭一が本気で怒るとこんなに怖いんだ。
周囲の空気までもが張り詰めていて肌にチクチク突き刺さる感じがする。
黒沢さんも恭一には勝てないと思ったのだろう。
彼に必死に言い訳する。
「ち、違う。強姦なんて……。彼女はちゃんと同意して俺と……!?」
同意という言葉が出てきて胸がズキンとなった。
だが、恭一は黒沢さんの言い分を聞かず、スーッと目を細める。
「黙れ。お前が紫を脅して関係を迫ったことは、紫の姉から話を聞いて知っている」
恭一の話に黒沢さんは顔色を変えた。
「美桜から？そ、そんなのうそだ！」
お姉ちゃんが恭一に話したのが意外だったのだろう。
黒沢さんは激しく狼狽えた。