極上御曹司の愛妻に永久指名されました
「お前の元カノは形勢が危うくなれば、簡単に人を裏切る。それはお前が一番よく知っているんじゃないか?」
恭一に指摘され黒沢さんは黙り込む。
確かにお姉ちゃんは誰よりも自分が大事だし、黒沢さんを守ろうとはしないだろう。
「あと、銀座のファッションビル建設計画は白紙になったから」
フッと不敵の笑みを浮かべる恭一の発言に、黒沢さんは間抜けな声を出す。
「へっ?」
「銀座の商店街の店のオーナーが黒沢不動産の土地買収に反対していて計画の遂行は困難だと上が判断したんだ」
恭一は関係者しか知らないようなことを黒沢さんに説明する。
何で恭一がそんなことまで知っているのだろう。
風間コーポレーションの副社長だから、いろんな情報が入って来るのかな?
「上が……って俺の親父はそんなこと一言も言ってなかったぞ」
「会社の役員会議にたまにしか出席しないんだ。お前が知らないのは当然。いいか、黒沢、お前のことは絶対に許さない。覚悟しておけよ」
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