極上御曹司の愛妻に永久指名されました
恭一が氷のような冷たい目で言い放つと、ホテルの関係者と一緒に警官が数人やってきた。
「私の婚約者を誘拐して性的暴行を加えようとしたのは彼です」
恭一が警官にそう告げれば、黒沢さんはすぐに警官に捕捉された。
「おい、待て!俺はなにも悪いことは……」
黒沢さんが警官たちに向かって弁解するが、「話は署で聞きます」と軽くあしらわれてそのまま連行される。
「僕はちょっとお巡りさんたちに事情を説明してくるね。風間は紫ちゃんのそばにいてあげて」
長谷川が恭一にそう声をかけると、恭一は小さく頷いた。
「ああ。悪いな」
長谷川は私にチラリと目を向けると、謎めいた微笑を浮かべて部屋を後にする。
あっ、長谷川待って!
それは私の心の声。
今、部屋にいるのは恭一と私だけ。
彼を裏切って黒沢の愛人になろうとしたのだ。
合わせる顔がない。
姉といるより気まずいよ。
あ〜、どうしたらいいの〜?
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