極上御曹司の愛妻に永久指名されました
もう男子学生の相手をするのも疲れ、豪華な食事にも手を付けず、トイレに逃げ込んだというわけだ。
ラウンジで休んでいようかな。
小春には後でラインでも送っておこう。
そう思ってトイレを出たら、彼女が少し膨れっ面でやってきた。
「ひとりだけ逃げるなんてズルいよ、紫」
私の見て恨み言を言う小春。
「ごめん。小春だったら、風間が救出してくれるかと思って」
苦笑しながら謝ると、小春はムスッとした顔で言う。
「恭一くん達は女の子に囲まれちゃって、そんな余裕ないよ」
あ~、確かに彼らの周りは人だかりになってたっけ。
モテる人達も苦労するな。
「下のラウンジでコーヒーでも飲まない?」
小春のご機嫌を取ると、彼女はコクッと頷いた。
「うん」
ふたりでトイレを出てラウンジに向かう。
綺麗な庭園が見える窓側の席に座ると、店員にコーヒーをふたつ頼んだ。
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