極上御曹司の愛妻に永久指名されました
長谷川がいたずらっぽく目を光らせると、小春はニコッと笑った。
「だって、声をかけられる雰囲気じゃなかったよ」
「そうそう、女の子達の対応で忙しそうだったじゃない?よく会場から出てこれたわね」
小春の言葉に頷き、彼らに目を向ける。
「仕事の電話がかかってきたって言って尊と抜けてきたんだ」
風間は平然とした顔で返す。
……いらぬ心配だったなあ。
彼らは、どう女の子をかわせばいいかわかっているのだ。
風間は御曹司だし、『仕事』と言えばみんな納得する。
実際、もう仕事してるっぽいしね。
「ふたりともお腹空いてるんだよね?なにか食べに行こうか?」
長谷川の誘いに小春は飛びついた。
「行きたい!お腹空きすぎて死にそうだったの」
「なにが食べたい?」
「うーん、このホテルのレストランでおすすめある?お肉とかはあんまり食べたくないなあ。紫はなにかある?」

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