極上御曹司の愛妻に永久指名されました
財布から紙幣を取り出して、支払いをする。
袋を手にすると、知らず笑みが溢れた。
うふふ。やっと自分で買えた。
変な達成感で満たされる私。
「え?紫もう買っちゃったの?」
小春が私のラッピング袋を見て驚く。
「小春はじっくり選んでて。私、隣のブランド店でお母さんのお土産買いたいんだ」
明るく彼女に声をかけて店を出る。
私がいなくなれば、小春と長谷川が話す機会が増えるはず。
ごめんよ、小春。
本当はふたりきりにしてあげたいけど、私には風間を連れ出す勇気がありません〜。
だってああいうトップに君臨するタイプって苦手なんだもん。
隣の店は誰もが知っている超有名ブランド店。
しかも、本店とあって人で溢れている。
お母さんにレザーの財布でも買おうかと思ったんだけどな。
売り場がわからない。
近くにいた店員に聞くが、革製品は予約がないと見せてももらえないらしい。
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