あなたの心の片隅に。


志保は気づいていたのだろうか。





夏妃と俺の関係に。



気づくも何もわからないか。






最近急に忙しそうにしてる志保





佐藤いわく、色々なお稽古事を入れてるらしい。





なんでそんなことをするのか、

佐藤に聞くと




初めて佐藤は俺に呆れたような態度をとり怒った。





志保がこの東條家に嫁いだということの大きさを感じ、

この家で居場所。存在価値を出すために

どれほど苦悩して努力してるかわからないのかと





はっきり言って夏妃が帰ってきてから


俺はまともに志保と話ができていなかった。





知らない間に京輔と仲良くなっていて



俺との距離はいつのまにか

気づかないうちに開いていた



だからってのは言い訳かもしれないけど、





志保がどれくらい頑張ってるかとか


どれくらい悩んでるかとか


そんなことは全く俺の目には映らなかった




それでいてむしゃくしゃする心。



志保を見るとまるで俺は志保の世界にいなくて


京輔といる志保

友里といる志保の笑顔を俺に向けたことは一度としてない。



いつも俺に気を使って



まあ俺のせいなのかもしれないけど


この距離を埋めたいのに埋められない




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