【短】碧くんしか見てないよ


***


「……はあ」


「和華、どーしたの?最近元気ないじゃん!!」


「どうもしないよ」


「悩みがあるなら相談のるからねっ」


モモが優しく言ってくれるから。


「…わたしって、まだ男遊び激しそうとか噂されてるのかな……」


つい、こんなことが言葉に出てしまった。


「え、そんなこと言われたの?」


「言われたっていうか……まあ、そんなかんじ」


別に誰からも言われていない。


碧くんからも、そう言われたわけじゃない。


だけど…碧くんの表情は、そう物語っていた。


男遊びなんて、激しくないのに。


たしかにわたしはモテるけど、ほんとにいいなって思った人としか付き合ってないし、付き合ったらちゃんと一途だ。


だけど、もしわたしが恋愛経験ゼロ女だとしたら、あのときのわたしの告白は、ちゃんと信じてくれていたかもしれない…。


「他人なんか放っとこ!!和華はなにもわるいことしてないんだから!!もしそんなこと言ってるやつ見つけたらわたしがボコボコにしてあげる!!」


「モモぉ…」


「よし、こうなったら!一週間ぶりに晴れてるし、今日は久しぶりに見に行こ!!」


「…。見に行くって…なにを」


「そんなのサッカー部に決まってるでしょ~!!」


なにがこうなったらよ…まったくもう。

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